退院の日の朝の思いを綴る

感じたこと

3週間と3日。
入院生活を終えて今日母が自宅に戻ってくる。
ICUの面会時間は限られているので
連日の猛暑の中で一番熱い日中の時間に
たった30分の面会時間、毎日会いに行った。

朝、息子を保育園に送り出した後
掃除洗濯食器片付けを猛スピードで終わらし
最低限やらなくてはいけない仕事を片付けたら
もうお昼を食べる時間。
その後病院に行き、
帰ってくると、もう4時過ぎ。
暑さでうだる中、できる限りの仕事をしたら
もう17時半、息子のお迎えの時間である。

そんな時間の使い方は一旦終わるので
それに関しては一息…
ただ、帰ってきたら楽になるか?
というとむしろ逆である。

入院中に落ちた機能が回復するには
入院期間の日数の倍はかかる。
それでも回復しないこともあるし…
確実に言えるのは退院後はこれまで以上に
家族の負担は増えるということ。

嬉しい気持ちと
複雑な気持ち
両方が混在する朝である。
だから早く起きちゃった。

母は15年前の事故の際に
一旦近所の病院に運ばれたけれど、
手に負えないということで
救命で有名な自宅から離れた病院に運ばれた。
なのでその後15年間かかりつけ病院はそこ。
入院となると距離が結構負担にはなる。

ただ、「受けられる医療は運」だと思う。
そういう意味では、母は本当に本当に
ラッキーだ。

最初、ここの病院に運ばれていなかったら
間違いなく命はなかったし、
その後も発作のたびに運ばれ
もう5回以上は命を救われている。
それほどに主治医や病院で
誰に出会うかが命を左右する。
それはもう介護生活の15年間で
痛感し続けてきたこと。

今回の誤嚥性肺炎で
またひとつ介護度が上がってしまった。
だからなのか、今回の入院では
今まで以上に手厚い退院サポートを
受けることができた。

改めての摂食介助指導であったり
病院側、訪問介護側
関係者を皆集めて情報共有するための
カンファレンスを開いてもらったり。

「医療は運」

けれどもその運をたぐり寄せるのは多分、
患者本人の「生きる」という生命力と
患者家族の「徹底的にサポートする」
その覚悟を持った姿勢だと思う。

できる限りのことをやっていただいたので
家に帰ってきてからも
きっとやっていけるだろう。
ていうかやるしかないんだ。

たくさんの方々のお力も借りて。

生きるってそういうことなんだ。

下村えり

下村えり

元パリコレモデル起業家。 バレーボール日本一。25歳から在宅介護歴15年、1歳児育児中のダブルケアラー。

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